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「Surface付きクラウドまちなかカート」の個人的評価

Surface付きクラウドまちなかカート

富山市で「タブレット付きまちなかカートを使ってまちなかゆる歩き!!」があり、そこで使用されたのが三共立山が制作した「Surface付きクラウドまちなかカート」だ。

 

富山県は軽金属(アルミ合金)の生産が有名で、特にアルミサッシでは全国1位のシェアを誇ります。また、YKKに次ぐ企業が三共立山です。

 

その三共立山と日本マイクロソフト、国立大学法人富山大学、富山市が共同で「富山発・高齢者向け ホコケンIoTプロジェクト」を開始しその第一弾が「タブレット付きまちなかカートを使ってまちなかゆる歩き!!」ということです。

 

シニア向け(高齢者向け)にタブレット(マイクロソフトSurface)を使用して街中を散策する、企画としては素晴らしい試みだが落とし穴がいくつかあり、その点をどのように改善していくかの報道がないのが気になります。

 

私が感じる落とし穴は…

 

まず、タブレットは画面も大きく高齢者に優しい端末ですが、高齢者がそのタブレットを使いこなすようになるまでにどれだけの時間や労力がかかるか分かっていない点です。

 

確かにスマホやタブレット、PCを活用している高齢者は増えています。ですが、回転寿司のタッチパネル注文も難しい高齢者もたまに遭遇します。私は回転寿司が好きで良く行くのですが、横の席の場合は代わりにタッチしてあげたりします。その時に照れ隠しもあると思いますが、「押しても(タッチ)注文ができない」「器械が悪いのか私が悪いのか!」と話されます。

 

軽いパニックを起こしている方もいます。当たり前ですが慣れると簡単に注文できるようになります。高齢者の多くは「私が悪いのだろう。」と考える方と、「器械がおかしい、壊れている」と考える方の二通りに分けられます。

 

タッチパネル注文端末は便利ですがバリアフリーではありませんね。

 

もう一つは…

 

使用されている歩行器(歩行車)です。三共立山を悪く言うつもりはありませんが、富山県で福祉用具を製造しているメーカーがあり、前回ご紹介したアイシン精機やリッチェルが有名所です。

 

アイシン精機は自動車のミッションやサスペンション、スライドドア(電動部品)を製造している企業なので信頼度抜群です。前回の記事にもあるように、電動車いすや電動カートも製作しています。

 

リッチェルは樹脂製品が得意な家庭用品からベビー・高齢者用品を製造しています。高齢者用のシルバーカーはコアなファンもいるデザイン力が高いメーカーです。

 

なぜその企業の力を借りなかったのでしょう?不思議でなりません。

 

三共立山の社長さんはー

 

「一般的なカートでは、持ち運んだり、折りたたんだりといったことを考慮するため、華奢に見えたり、女性向けのものであるというケースが多い。だが、クラウドまちなかカートはそうした点を考慮せずに、街歩きのためだけに最適化したカートを開発した」とし、「目指したのは、歩行保護車におけるフェラーリやF1カー。男性が使用しても格好よく、同年齢の女性が振り返るようなカートにしたいと考えた」※Yahoo!ニュース参照

 

とのことらしいのですが、

 

そもそも、「街歩きのためだけに最適したカートを開発した」ということが間違いです。スーパーにあるカートのように「商品を入れることに最適したカートを開発した」とは違います。

 

車いすメーカーが製造している歩行器(歩行車)の中でも歩行補助車を見てもらえば分かります。様々な路面や場所、段差乗り越えや坂道での進みすぎを防止する機能など、ハンドブレーキだけでは危険と考え数々の安全機能が伴っています。

 

ブレーキホースが引っかかったら危ないとのことで、フレーム内に収めた作り方をしているメーカーもあるくらいです。

 

フェラーリやF1カー?ちょっと待って下さい。私には10年以上前の歩行補助車にしか見えません。欧米の歩行補助カートをネットで探してみてください。カッコ良くデザイン力が高いカートが山ほどあります。

 

上記を解決(改善)すればこのプロジェクトは成功するように思えるのは私だけでしょうか?

 

たくさんの指摘をしましたが気を悪くしないで下さい。プロジェクト自体はとても素晴らしく応援しています。私はたくさんの福祉用具を見てきましたが、プロジェクトを実用化して欲しいと考えています。三共立山さんはアルミニウム材のプロです。福祉用具はそのプロの力を借りて下さい。デザインや動力はそのプロの力を借りて下さい。

 

世界に誇れるプロジェクトになることを心待ちにしています。

 

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